May 7, 2010⑤ missing the street noise
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ドライバーとの再会を果たし、一同車に乗り込む。
私が抱いていたほのかな願望が叶うことはなかった。

私は自動的に助手席。
皆当然のように往路の際と同じポジションに座ったからだ。

(やっぱりそうなりますか・・・。そうですよね・・・。)

車内には、置き去りにしてすっかり温くなったミネラルウォーターが転がっていた。


気を取り直し、"特等席"からの景色をデジイチで収めようとすると、なんとエラーのメッセージ。
辛抱強くケアしていたら復活したのでホッとした。

すると、真後ろに座っているパンクカップルの彼女の方が話しかけてきた。

- ねぇ、なんかさっき使ってたの貸してくれない?

振り返ると彼女はコンデジを手に持っている。
やはりレンズに砂が噛んでしまったようだ。

はい、とブロワーを渡すと、慣れない手つきでシュポシュポやり始めた。
少ししてまた振り返って見ると、紙の先端を間に入れて砂を取ろうとしている。
でもフニャっとなってしまいうまくいかない。
私は見兼ねて、酔い止めの薬が入っていた硬い銀色の切れ端を彼女に手渡した。

(直ったかな?)

暫くして後ろを振り返ると、広い座席を多いに活かし、二人は仲良く熟睡していた。


さて、素晴らしい景色が流れ続ける中、ドライバーが車を止めるべきポイントはどうも毎回ずれていた。
そう思っていたのは私だけではなかったようで、ある休憩の時、一人が口火を切ったことで参加者それぞれの不満が判明、爆発した。

- 今度からドライバーにもっと止まってもらうようにリクエストしよう。

そうはっきり提言したのは肩タトゥーの彼だった。


昼食をとるべく立ち寄った場所は、往路の高いレストランとは違い、いかにも山のど真ん中の古びた小屋のような体裁。


そして・・・

- ノー

- ノー

- ノー


また往路と同じ光景がそこでも繰り広げられたのだ。
皆口々にそこでの食事を拒否・・・。

私もあまりお腹が減っていなかったので、バッグに忍ばせておいたあの小さなリンゴを噛りながら辺りを散策することにした。

人目につかないような、草が茫々と生い茂る場所で犬がひっそりと寝ている。
辺りは今までなかったくらい何故かゴミだらけで目も当てられなかった。

鶏が歩いていたので近寄ってみたが素早く逃げられる。

無銭飲食ガールとすれ違うも、ハーイ、と挨拶を交わしただけ、ぎこちない空気のまますぐにバラバラに。


超長時間のドライブの後の砂漠滞在。
マラケシュの喧騒から離れていたせいか、立ち寄ったその田舎町で突如けたたましく流れ始めたコーランを聞いた時、私は心地良ささえ覚えたのだった。
by filmaniayako | 2012-12-02 00:59 | travelog
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