May 6, 2010⑦ everyone was different...
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街道をひたすら走っていると、所々に門のような構えが立っており、その間を車は通過していった。
それらの地点は、おそらく、町、村が変わる境界なのだと思う。
さて、そんな門をまた一つ通り抜け、ワルザザードに到着すると、ランチタイムになった。
ドライバーに連れられるがまま入ったレストラン。
あらかじめ予定に組み込まれていたのか、そこには既に席が用意されているようだった。
しかし、周りのカップルたちのメニューを見ての第一声。

- 高過ぎる。ここじゃなくて他で食べるわ。

そう言って着席することなく皆一斉に去っていった。
ドライバーにとって、それは予想外の展開だったのか、好きにしてくれ、と言ったジェスチャー。
いや、私にとってもそれは予想外の展開だった。
こんなところでも遠慮なく物事ハッキリ言えていいな・・・。
彼らの驚くべき言動を目の当たりにし、また、そんなきちんとしたレストランで一人ポツンと食事をとる気には到底なれず、私も別の場所を探すことにした。

はて、どうしたものか・・・。
歩いていると、街道を挟んで反対側遠くにパラソルが見えた。

おし、あそこに行ってみよう。

そこは外観から予想した通り、先のレストランよりリーズナブルな店だった。
一人外のテラス席に着くと、やはり目に留まったのか、その後他のメンバーたちも次々にやってきて、おかしなことに結局全員そこのテラス席に座って食べることになった。
同行メンバーはその頃にはもう把握できていて、私、4組のカップル、一人参加者の女の子、の計10人だ。
例の写真好きと思われるタトゥーの彼とその彼女、一人参加の女の子が席を共にした。
中身があるような、ないような、とりとめのない会話を時折交わした。
その場で私の中に唯一残った会話は、タトゥーの彼とのやりとりで、私のF3を見て、自分も昔使っていたよ、もう売ってしまったけどね、というような内容だ。
カメラは国境を越えると静かに思った。
しかし、相変わらず、お互いどこから来たのか、名前も何も知らないままだった。

日差しが降り注ぐ中、モロッコらしいタジン料理でもない軽食を済ませ、一つしかないトイレに順番に入り、それぞれ会計を済ませると、カップルたちは店を後にしていった。
最後にトイレへ向かったのは、私と同様に一人で参加している、山道の途中で気分を悪くした女の子だった。
トイレから戻ったらもう誰も居ない、っていうのもなぁ・・・と思い、私は彼女のことを外で待ってみることにした。

- 皆もう戻ったよ。
 会計はあそこだよ。

と伝えると、(タトゥーの)彼がきっと払っておいてくれたのよね、と言う。
ん・・・?
確かにテーブルは相席のようなものだったけど、なぜそう思うのだろう・・・。

- いやいや、彼は立て替えてないよ。
 私も別々に払ったし。

そう言ったが、きっと彼が払ってくれたのよ、の一点張り。
いやいや、そうじゃなくて・・・。
そして結局彼女だけ勘定を払わなかった・・・。
ドタバタしていて店の人は気付いていない・・・。
うーん・・・なんなんだこの子。
意味不明な主張にとても困惑し、もう知るものか、そう思いながらもモヤモヤと気分はすっきりしない。

車内に戻ると楽器片手に芸人が近づいてきて車のまわりで演奏を始めた。
彼は一体何処からやってきて何処に帰っていくのだろう。
ドライバーは彼に何か言い、チップを渡し、再び車は出発した。



次にストップした休憩所でミネラルウォーターを購入した。
売店のカウンターには少年が店番をしていた。

- いくら?

一瞬黙って考えた後、彼は相場より倍以上の高値を言ってきた。

- ノー・・・。

私は通常に近い値、それでもオマケの気持ちをこめ、10DH、と言い硬貨を置くと、少年はそれを受け取った。
繰り返し行われ、マラケシュの街中では疲れてしまうそんなやりとりも、喧騒から離れたせいか少し余裕が生まれ、この時ばかりは楽しむこともできた。
街道の向こうにはヤシのような木々が豊かに茂っていてオアシスが広がっている。
私は階段に座り、車の出発を待ちながらその遠くの木々をぼんやりと見つめていた。


暫く走ると、また一変して険しい岩肌が広がり始めた。
実際この目で見たことが無いのに、真っ先に思った。
グランドキャニオンッ!!!
ずっと車に乗っていると、表情豊かな山々も、可愛らしい小さな村々も、ほとんど止まることなくあっという間に過ぎていってしまう。
何度も思った。
この山を全て歩いて越えることが出来たらいいのに・・・。



それからまた暫く走り、小さな町に入った。
砂漠入りする前にストールを買った方が良い、とドライバーはとある売店に車を付けた。
朝から何時間も走り続け、一体いつ着くのかもわからないまま揺られていたが、ようやく砂漠に近づいてきたのだとわかり嬉しかった。
その店に寄るのもきっと定番なのだろうが、私は日本から持参したものがあったのでストールは見送った。

砂漠に入るためにもう一つ重要なもの。
反対側にあった売店で一行はミネラルウォーターを買い込んだ。
殆どのカップルたちは6本パックでまとめ買いをしていた。
私は2本だけ購入することにした。
それで途中少年から買った飲みかけの1本と合わせ、計3本になった。

そして、ついに車を離れる時が来た。
ただ、旅の全荷物を抱えながら、ミネラルウォーター3本はきつかった。
結局飲みかけの1本は諦めて車内に置いていく事に。

外に出ると、ラクダたちと現地の青年たちが迎えてくれた。
ようやく長い仕事から解放されてすっきりしたのだろう。
新人ドライバーは、それまで見せたことない位の超上機嫌、バイバ~~イと笑顔で私たちを見送ったのだった。
私もラクダたちを目にしてぐんとエナジーがわいてきた。

いざ!
小さなキャラバン隊のはじまりだ。
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by filmaniayako | 2011-07-20 17:11 | travelog
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