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May 4, 2010⑧ to marrakech
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モロッコもトランジットしたパリ同様日没は遅く、20時過ぎだった。
カサブランカから次の町、マラケシュへは電車で移動するつもりだったが、仲良し一家と過ごしているうちにすっかり遅くなってしまった為、アミンのすすめで民営バスに乗ることにした。
別れが惜しいものの、事務所を後にし、バスターミナルへと向かう。

ターミナルの待合室に着くと、ずっとトイレを我慢していた私は、アミンからそこの公衆トイレの場所と入り方?を教えてもらった。
それから、アミンは振り返りながら、

‐君は(私と出会えて)とてもラッキーだ!

そう言うと、お互い手を振りながら大きな笑顔で別れた。

そして、その直後に扉を開けて入ったトイレに衝撃を受ける。
とても狭い便器とされるものに小さな穴が開いているだけ。
横にはバケツと水道・・・。
もちろん紙なんてものは無い。
(ばっちり、Myトイレットペーパーをワンロール日本から持参していたのだが。)
そこで最初のモロッコ式洗礼を受ける私であった。

待合室には見る限り地元の人々が多く、観光客らしき人は見当たらなかった。
そろそろ時間だな、と辺りを見ていると、ひとかたまりの人々が動き出したので、これはマラケシュ行きか?とスタッフに確認、バスに乗りこんだ。
それは思っていたより大きく立派なバスだった。

バスが動き出すと、徐々に日が暮れていった。
辺りが真っ暗になると、一枚のガラスが3シート分にも至るとても大きな窓からは星空だけが見えた。
何も決めていない、またこれから先どうなるのだろう・・・。
この時、私の頭の中のBGMは井上陽水。


さて、3時間は経ち、町に近づいてくると、次第に明かりが見られるようになってきた。
車窓からマラケシュ駅と思われる建物が見えた。(後にやはりそれが駅だと確認。)
これは中々豪華でびっくりした。

ターミナルに到着すると、あっという間に人がどこかに散ってしまった。
少々不安を抱きつつ、ターミナルのスタッフや、近くにいたタクシードライバーに、これからちょっとここら辺まで歩いていくつもりなんだけど、と道を聞こうとしたら、“何言ってるんだ、君はレディーだろう!?タクシーに乗るべきだよ。”と。
そうだ、乗ったほうが良い、ともう一人の人にも言われる。
確かに夜中、無茶はよそうと思い、そのレディー発言のあったドライバーさんに乗せてもらうことにした。
喋るのが好きな様で、娘さんや奥さんの写真を胸元から出して嬉しそうに見せてくれたり、とにかく元気な方だった。

宿は何も予約していなかったのだが、安そうな場所で一軒だけ目星を付けていたので、その住所に行ってくれと伝える。
すると、そのドライバーはもっと中心地に近くて便利で良いリアドがあるから、と勧めてきた。
このお勧めに関しては一瞬考えたのだけど、結局紹介してもらうことに。(タクシー代:30DH)
悪そうな雰囲気でもなかったので、そのままそのリアドにチェックインをした。

-食べ物か飲み物かほしいものはないか?もう夜中だから私が代わりに買ってきてあげるよ。

じゃ、お水だけ、とお願いすると、ペットボトルを1本買ってきて持ってきてくれた。
夜だったのでちょっと用心し過ぎていたが、とても良いドライバーさんだった。

それにしても、またもや夜中に宿に到着・・・。
お腹が減っていないわけでも無かったが、暗い部屋で水だけをゴクゴクと飲み、間もなくベッドの中に身を沈めた。
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*リアド・・・モロッコ式の“邸宅”の意。邸宅を宿として改築し、宿泊客を受け入れるように作った家のこと。
       中心に中庭があり、その周囲に数部屋の寝室が用意されている。
       マラケシュ、フェズ、エッサウィラなどの旧市街地に無数存在する。

by filmaniayako | 2010-08-19 15:44 | travelog
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