May 6, 2010⑨ being on the roadⅢ
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痛くないのだろうか?
ラクダが前に進む度、荷物が余りにも激しく上下に動くので、まるでラクダの身体を叩きつけているかのようだった。
なんだかラクダが可哀想に思えてしまい、強く当たらないよう、身体と荷物との間に手を挿し入れたり、支え持ったりしたが、途中で自分のバランスを保てなくなった。

歩が進む度、荷物は振動で大きく揺られ、ペットボトルの水はタプタプと凄い音を立てていた。
ザックが上下に動くにつれて、その上部ジッパーが開いていく。
無理やり入れたミネラルウォーターがそこから徐々に顔を出し始めた。
私は、鞍の取っ手を左手で持ちながら、右手でジッパーを閉めようと試みる。
閉まった、と思っても、振動でまたすぐに開いていく・・・。
何度か繰り返した後、もう閉まらないのだと諦め、ザックから外に飛び出して落ちないよう気をつけていることが精一杯だった。 

うん・・・。
これは想像していなかった揺れだ。
上下震動、そして結構な大股開きで乗っているため意外と体力も消耗する。
両手離しはとてもじゃないけど無理だった。
片手で写真を撮ろうにもブレブレでちっとも撮れやしない。

一行がペースを崩さす前へと進む中、誰かから声が上がった。

‐ 待って!!

何事か?
下で歩いている現地青年たちは全てのラクダを止め、一向はストップした。
私の左前でラクダに乗っていた男性が、ビーチサンダルの片方をどこかで落としてしまったらしい。
そういえば、出発間際、やはり落ち着かない様子だった。
現地青年の一人が来た道を戻り、見つけ出したビーチサンダルを手に走ってきた。

一行は再び出発した。
それから数分のこと。

‐ 待って!!

なんと、もう一度同じことが起こった。
彼は今度ばかりはさすがに恥ずかしそうな表情を浮かべ、もう二度と落とさないようにビーチサンダルをしっかりと荷物の中にしまった。


それから、畑のある小さな村を通り抜ける時のことだ。
小さな子供たちが5、6人追いかけてきた。


‐ サー!サー!

- マダム!マダム!


彼らは手に何かを持っていた。
それを売りたいらしい。


‐ サー!サー!

- マダム!マダム!


どこまでも追いかけてくる彼らに一切応答せずにいるのは辛いものがある。
しかし一行は止まることなく遠慮なく進んでいく。
ラクダに乗っているので、とても高い位置から彼らを見下ろしている形だった。
そのせいで余計に切なく思えた。
中でも一人の男性は何か反応を示してしまったのか、集中的に話しかけられるようになり、一人の男児が彼の足元から暫く離れようとしなかった。

いったいどれくらい付いてきたのだろう。
いったいどのタイミングで見極め諦めたのだろう。
結局彼らは通りすがりの大人たちから何も得る事無く、追いかけることを止めた。


また、誰かが何かを落としたわけでもないのに突然一行が止まることもあった。
ラクダとラクダを繋いでいる紐が外れてしまう時だ。
例えば、ある一頭のラクダが突然の食事タイム、おもむろに地に生えた草をムシャムシャと食べ始めてしまう。
しかし、その前に繋がれているラクダたちはそのまま前へ歩いていこうとするので外れるという顛末。
そんな時しかカメラを構えられないので、一瞬の隙を狙ってシャターを押すのだが・・・。

他にラクダの上から望んだ光景といえば、何も無い広い大地で、少年たちがサッカーをしている様子。
ボールただひとつで戯れる様子は、純粋でいて無邪気で、とても楽しそうだった。

晴れとも曇りとも言えない微妙な天気の中、ラクダには30分程揺られたようだ。
そして辿り着いた目の前には、幾つものテントが張られていた。
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by filmaniayako | 2011-08-20 17:09 | travelog | Comments(7)
Commented by TOOLKIT at 2011-08-20 17:28 x
次々起きるハプニング。
この先旅がどうなるのかドキドキです…。
Commented by filmaniayako at 2011-08-20 17:55
毎度どうもありがとうございます。
Commented by ねぎま at 2011-08-20 20:58 x
夕べCLに掲載された写真を眺めていたところでした。
あれは数少ないチャンスだったのかな。
物売りの少年たち。
たくさんのテント。
こんな場所でも人の営みがあるんですね。
そしてここで、出会った人は?
無事に旅を終える事が出来るのか?
次回、あやーご♡危機一髪の巻・・・かな。
Commented by hiroinouye at 2011-08-21 11:41
らくだの乗り心地の悪さがこれほどとは思いませんでした。
でも、ずいぶん丈夫な動物のようですね。
Commented by studionow at 2011-08-22 12:30
よく読みました。文章にも納得、危機はあったのか?はーい次お願いします。
Commented by Pirosi at 2011-08-23 00:17 x
ラクダを追う少年達が手にしている物に興味を魅かれ
私だと足を止めてしまいそうですね・・・良いカモです(>_<)
Commented by filmaniayako at 2011-08-26 18:30
遅くなりました。
コメントありがとうございます。

>ねぎまさま
そうかもしれません。
ふふふふふ・・・
次の次かしら・・・!?

>hiroinouyeさま
帰ってきて知ったのですが、ラクダは、右なら右、左なら左と、同じ側の前後の脚を同時に動かすので揺れるみたいです。

>studionowさま
はーい。
読んでくれてありがとうございます。

>Pirosiさま
つまらないことを言うと、すべて繋がれているのでなかなか一人だけ止まることできませんが、物でも落とせば・・・。 笑
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