May 5, 2010⑦ people spoke to me...
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マリアはフナ広場で降ろしてくれた。

-たまに広場でヘナ描きしてるから、よかったら来てね。
  その時は描いてあげる。私のプレゼントよ。

彼女は友達とフナ広場でヘナ描きをしているらしい。
楽しかったこと、お礼を伝え、またね、とお互い言い合って別れた。

久しぶりに1人になった私は、名所とされる広場をふらっと歩き、それから来た方向とは広場を挟んで反対のメディナに入った。
そしてすぐにアクセサリー屋さんの前でカリムという青年に会った。
例によって店先から呼び止められる。
一度通り過ぎて振り向き、疲れていたのでそのまま行ってしまおうかと思ったのだが、日本語を勉強しているという訴えに応え店内に入ることにした。
簡単な日本語の教本と、“わたしかりむ”と書かれた紙を見せてきた。
日本人で言えば小学校低学年くらいの文字だろうか、それでもなかなか上手なものだった。
彼は特に店の物を売ろうというつもりは無いようだった。
ただ、途中彼がやっているツアーの案内なんかをさりげなくされたが、さりげなく断った。
山や渓谷の写真を見せながらモロッコの自然の話をしてくれた。

彼は水色のジュラバに身を包み頭には白いターバンを巻いていたのだが、どこからか黒いスカーフを取り出し、私にもベルベル巻きをしてあげる、と言ってきた。
え?そう?ありがとう、と言う間にあれよあれよと私の頭にスカーフが巻かれていく。
あ~れ~。
気付けば、にわかベルベル人に変身!
一緒に記念写真なんかも撮ってみたりして店を後にした。
ちょっと観光客っぽいことをしてしまった。

それからも辺りを歩くが、どうも落ち着かない。

ある時は、背の高い初老の男性が、ラクダのぬいぐるみを両手いっぱいに抱え寄ってきた。
その随分とアンバランスないでたちが、とても可愛いらしく見えてしまい、思わず足を止めた。
すると彼は値段をいってくる。


-高い、要らない。

値を下げてきた。

-高い。要らない。

値を下げてきた。

-高い。要らない。10DHなら買う。


すると、もういいよっ!と言わんばかりな勢いでぬいぐるみを渡してきた。
お金を渡すと、かなりいじけた様な感じで背を向けスタスタ去っていったので、どうも気になってしまい思わず追いかけた・・・。
ありがとう、もう一度言ったら今度は頷いて笑ってくれた。
よかった・・・。
そのラクダのぬいぐるみは、私にとってモロッコでの初めての買い物となった。

その後も行き当たりばったりな道を歩くが、もう数え切れないほどの店がひしめき合う中、何かを買うどころか、店に入って覗く気にすらなれなかった。
一つ店に入るとなかなか出られないのではないか、という億劫さが生まれてきてしまったのだ。
そして何よりまだ荷物を増やすわけにはいかなかった・・・。
スークには、香辛料、オリ-ブ、ランプ、籠バッグ、革製品、バブーシュ、ジュラバ、スカーフ、タジン鍋、食器、装飾品、書き連ねられないほど沢山な、色とりどりな土産品、食品が並んでいた。
女心をくすぐる雑貨も沢山溢れていたのだが・・・。

相変わらず道という道は入り組んでいて、あちこちへ歩いてみるが、とても簡単には把握できない。
ひとまず広場の方へ戻ろうと思い、初めて地図を開いた。
でも地図はあっても地図は無いのだ、メディナの中では・・・。
信じられない程の道があるにも関わらず、それらは書かれてはいない・・・。
すると、その時自転車に乗った中年男性が私の前に止まった。
広場に行くのか?と聞いてきたので、そうだと答える。
あっちの方向だよ、で、そこを曲がって~して~へ行けば広場だ、と言い、十メートルも共に進まない内にいきなり始まった案内は終わった。
そして、手を差し出しお礼を求めてきた。
親切なふりをして勝手に案内を始めてチップを求めてくる話はもちろん知っていた。
マラケシュは特にそれが凄いということも。
まぁ、今回は仕方ないか、そう思い、ありがとうと硬貨を渡そうとすると、

-駄目だ駄目だ。そんなのはベイビー用だよ。

紙幣をよこせという。
なにを!?随分舐められたものだな・・・、そう思ったが、一度くらい経験するのもありとしようか・・・これも一つの文化・・・と納得させて渡した。

しかし、どうも初めからその彼の空気はどこかひっかかるものがあった。
そして、すぐに判明。
ああやっぱり・・・。
彼の言ったことは嘘だったのだ。
それまで素晴らしい人、優しい人に会いすぎていたのかもしれない。
教えられた道の先に空間が広がるような雰囲気は皆無、広場などなかった。

観光地どこに行けど外国人はいい鴨かもしれないが、マラケシュは本当に凄い町だ・・・。
歩いているだけでひっきりなしに寄ってくるし、決して方向音痴で無い者でもここでは迷わざるをえない。
断言する。

そう、私はいつの間にかすっかり迷ってしまった。
むしろさっきの男性のおかげで複雑さが更に悪化した。
仕方が無いので車の行き交う通りでタクシーを拾うことにした。
しかし、乗車してから、リアドの住所が書いてあるカードを失くしたことに気づく。
あ・・・ブライアンたちに見せたのが最後・・・。
あの部屋だ・・・。
住所がわからず、周りの覚えていることをドライバーに伝えるもかなり苦戦。
キーワードは、クトービア、ドラッグストア。
最後は、リアドの近くにあった小さな薬局の緑の十字サインが視界に飛び込み、無事到着することができた。
ふぅ・・・やれやれ・・・。
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*ヘナ描き・・・ジャマ・エル・フナ広場に腰を下ろし、観光客相手に腕や手などにタトゥーのようにヘナで模様を描く商売をしている女性がたくさんいる。広場を歩いているとすぐに手招きされたり呼び止められることに。
*ベルベル人・・・北アフリカ(マグレブ)の広い地域に古くから住み、アフロ・アジア語族のベルベル諸語を母語とする人々の総称。北アフリカ諸国でアラブ人が多数を占めるようになった現在も一定の人口をもち、文化的な独自性を維持する先住民族で、東はエジプト西部の砂漠地帯から西はモロッコ全域、南はニジェール川方面までサハラ砂漠以北の広い地域にわたって分布。モロッコでは人口の半数を占めるらしい。

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by filmaniayako | 2010-12-08 17:46 | travelog | Comments(9)
Commented by naoko_photo01 at 2010-12-08 18:42
らくだのぬいぐるみ、今度見せてくださいっ!
Commented by ねぎま at 2010-12-08 19:12 x
混沌。だね。
光と闇の間をさまよってしまったのかな。
でも、それも旅の深みだったりして。

ベルベル人の衣装。似合いそうだね。
Commented by studionow at 2010-12-08 20:43
なんでおいらより先に尚子とねぎまさんが見て、いるの?出遅れて更新確認しました。
Commented by filmaniayako at 2010-12-09 10:54
おはようございます。
朝晩すっかり冬の空気になりましたね。
コメントありがとうございます。

>naokoさま
ホイ!!
なかなか可愛いの。
後々よく見ると結構細かい作りで、値切り過ぎて?気の毒だったなも・・・と思いました。
(買ってすぐ一部リリヤンがほつれたけども。)

>ねぎまさま
そうですね。
さまよいましたが、今となってはそれもよかったなぁと思っています・・・!
見れたのが一面だけじゃなくて。

ありがとうございます。
いやはや、頭に巻いただけですけどおかしいです・・・。
プっ・・・て感じです。

>studionowさま
確認ありがとうございます。
覗きにきてくださってるのだなぁ・・・と感謝。
股、次、宜しくお願いします。笑


今日も良い一日を!
Commented by myu at 2010-12-09 16:34 x
こんにちは。
この前は、コメントありがとうございました。
top の写真、好きです!
ところで、旅行の時はメモまたは日記を書いてるんですか?
それとも、記憶をたどってるんですか?
Commented by filmaniayako at 2010-12-10 10:13
>myuさま
おはようございます。
どうもありがとうございます!
モロッコは町ごとにテーマカラーが決まっていて、マラケシュは【ピンク】なのです。
サーモンピンクとか、町中色々なバリエーションのピンクに包まれていて女子には嬉しいかも!?

道中は、例えばタクシー代、バス代、何時出発とかの数字は手帳にちょろっとメモしてました。
あとは大体記憶です。
写真を見ながら出来事を時系列に思い出しています。
Commented by Islay at 2010-12-12 23:58 x
今もマラケシュは活気があり、うるさいガイド達が沢山いそうですね。
メディナでは、迷えば迷うほどいろんなドラマが生まれそう。
旅先で出会いが無いのもつまらないが、出会って危険な目にあうのも考えもの…。
その点、filmaniayakoさんは、良い感じでモロッコを渡り歩いていますね!
人を見分ける力が凄いです。

マラケシュでは、屋台で揚げたてのドーナツの穴に、ワラを通して輪を作り、それを手渡されました。
そのドーナツが、とても美味しかった記憶がありまます。20年前の話ですが(^_^;
Commented by filmaniayako at 2010-12-13 16:00
>Islayさま①
こんにちは。
断ろうにも何かしらコミュニケートしなくてはならないので、あの中で歩いているとてんてこ舞いになりますね。
無事迷えてよかったです。笑
いえいえ、、そんなたいそうな力はありませんが・・・、旅から帰って暫くした後に親友に聞いた話で、(これはかなり最悪のケースだと思いますが)親友の知人(♂)は、(たぶん北部の町で)着ぐるみはがされたらしいので、運はよかったのかもしれません。
素敵な方ともいっぱい出会えたので、なるべく人を疑いたくないな、と思いつつも一度(上のガイドのような出来事を)経験すると、その後だいぶ身構えるようになりました。
外国人にとっっては長居するとヘトヘトになるかもしれないけれど、町にああいう活気があるのは良いこと、マラケシュはとてもタフな町ですよね。
Commented by filmaniayako at 2010-12-13 16:01
>Islayさま②
ドーナッツ、は見かけませんでした・・・!
夜の屋台でしょうか?
うーん、色々と食べそびれました~。。
Islayさんが20年前に目にした景色と、今との違いはなんでしょうね!
マラケシュ自体とても古い町だから、意外と大きな変化は少ないかもしれませんね!?
楽しいお話をどうもありがとうございました!
是非またお聞かせください☆  ^ー^
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