May 6, 2010④ in the mountain's embrace
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初めのうちは参加者が全部で何人いるのかさえわからなかったが、背後には結構な人の気配を感じていた。
休憩を挟み、下車する度、少しずつ彼らの姿を把握していった。

すぐにわかったことは、

カップルが何組も参加していたこと、
私を除いて皆欧米人だということだ。

車がマラケシュを出ておよそ1時間半後、初めの休憩にて改めて現地トイレの洗礼を受けるが、心して臨んだ為もはや衝撃は少なかった。
参加者たちは一息いれながら、雄大な自然を背景に記念写真を撮ったり、撮り合ったりしていた。
私も記念に近くの人に押してもらった。

次の休憩もおよそ1時間半後。
そこにはいくつかの建物があったが、自分たち以外に人は殆どおらず閑散としており、土産屋と思しき建物は開いているのか閉まっているのかも不明な状態だ。
その建物前の外階段には、大小ゴツゴツとした化石たちが所狭しと並べられていたが、それらを熱心に見る者など誰も居なかった。

休憩後走り始めてすぐに、 “止めて!!” 後方から数人の声が上がった。
山道に入りカーブが続く中、一人の女の子が気分を悪くしたようだ。
車から外に出ると彼女は戻していた。

‐これ酔い止めの薬だから。

最後部の座席へと戻った彼女に渡すよう、私の後ろ、二列目に座っているカップルに伝え、薬を回してもらった。
陸路の移動が多いだろうと考えていたので私は日本から酔い止めを一箱携帯していたのだ。

一時間遅れでスタートしたからか、ドライバーはとにかく急いでいるようだった。
土壁で出来た要塞、いわゆるカスバが周辺に見られるようになると、ようやく彼は車を止めて窓の外を指差し、ぶっきらぼうに“フォト”と呟いた。
すると皆写真を撮ろうとあわてて降りる。
しかし彼は5分も経たないうちに車へ戻れとクラクションを鳴らしせかし立てる。
すると皆あわてて戻る。
ある一組のカップルの、肩にタトゥーを入れた男性は、写真好きなのだろう、デジイチを手に一人誰よりも遠くまで行ってしまった。
彼女は車の前で遠くを見つめ、彼をまだかまだかと言わんばかりに待っていた。
一方、先程ひどく車酔いしていたはずの女の子は、心配もなんのその、他の皆が既に乗車し待機している中、焦るそぶりもなくコンデジで写真を撮りまくっていた。
そしてようやく全員揃うと車は再び出発した。

長い長い乗車時間。
行程が進むにつれ、山や辺りの表情はどんどん変化していった。
初めは木々の緑や花の多い場所を走っており、合間に点在する村々では、草を積んだロバに横向きにまたがりのんびりと行き交う人々、山羊・羊と共に歩くのどかな遊牧風景を沢山目にすることができたが、次第に地肌は露になり、地層が幾重にも重なる山々に囲まれていった。
何の舗装もされていない道路では、所々傍らに重機が佇み、走行によって立ち上がった砂埃は勢いよく視界の中を舞っていた。

こんなところに来れる日が来るとは思わなかった。
越えようとしているのはモロッコを南北に走る山々、アトラス山脈だ。
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by filmaniayako | 2011-04-04 21:17 | travelog | Comments(16)
Commented by ねぎま at 2011-04-04 21:58 x
見慣れない土の色。無造作にフェルトを置いたような緑は麦畑なのか。マラケッシュ、カスバ、アトラス山脈。知っているけれど知らないもの。

ふふふ、一番ですいませんねぇ。
Commented by filmaniayako at 2011-04-04 22:35
ねぎまさま!

二ヶ月ぶりの更新にも関わらず、ご覧頂きありがとうございます。
3月更新しようと思っていた矢先・・・
再開の仕方に迷いましたが、こちらではこれまで通りに旅録の続きを投稿して参ります。

低所では意外と畑がありました。
麦かな!?
アトラス山脈は、ロバとその上で揺られる村人の様子にやたらキュンとしました。
何というか、とてもスローで幻想的に見えて、おとぎ話の中にいるような魅力を感じました。
Commented by Naoko at 2011-04-04 23:08 x
あ、2番!・・・負けました・・・!!!

荒野に緑の畳・・・・不思議~!
Commented by filmaniayako at 2011-04-04 23:35
Naokoさま
ご訪問ありがとうございます・・・!
緑の畳/フェルトの上でゴロゴロしたいですね。
Commented by yukinyaa04 at 2011-04-05 00:23
orz・・・・

前回までのあらすじがないと、思い出せないかも・・・・。
Commented by filmaniayako at 2011-04-05 01:11
あらすじ・・・

深夜カサブランカ到着。
思いのほか広い部屋に満足してバタンキュ。

翌日、建築家アミン一家に会う。
(奥様ドクター。子供3人、内2人は双子ちゃん。)
自宅だけでなく、事務所2つも訪問。
名残惜しくも夜に長距離バスに揺られマラケシュへ移動。
タクシードライバーの薦めで旧市街地近くのリアドに宿泊。

翌朝、一時の宿の住人とコミュニケーションとりつつ朝食。
ついに旧市街地へ踏み出す。
ジュラバ姿の自転車おじさん、ブライアンに出会う。
なぜか導かれて付いて行ってしまい、小部屋で歓迎を受ける。
フランス語まみれになって苦戦。
ハッサンは黙々と縫い物をしている。
サッカーの上手だったハッサン、
若かりし頃のその記念写真に感動。
英語話せるマリア登場。
ほっとする。
マリア消える。
苦戦。
ジュラバ職人のハッサン、黙々と縫い物をしている。
再びマリア登場。
ほっと一息、バイクで広場まで送ってもらう。
初老男性近づいてくる。
ラクダのぬいぐるみを値切って購入。
嘘つきの大人に会い、チップとられる。
迷ってしまいなんとかタクシーでリアドに帰還。
新しい二組の宿泊客と遭遇。
テラスで談笑、ミントティーで乾杯。
Commented by filmaniayako at 2011-04-05 01:13
再び旧市街地に出る。
今度は案内するという少年離れず。
説教してチップを渡す。
夜、ヘトヘトの中ラバトから遊びに来ている青年に出会う。
初めてまともなモロッコ料理を食べる。
ミントティーの音心地良し。
腹12分目。

朝、道に迷った新人ドライバー、
予定より一時間遅れの到着。
その大遅刻にリアドの主、ドライバーに大激怒。
ようやくマラケシュのリアドからピックアップされた私、
重たい空気の中で助手席に乗車、
別の町に向けて出発・・・!

でございます。

または、travelogのカテゴリからお入りになって頑張って読み直してください。。
Commented by Pirosi at 2011-04-06 00:30 x
更新お疲れ様です。
何とも不思議なコントラストですね~
国外への旅行にはあまり興味が湧く事が無いのですが
写真を眺めながら記事を読んでいると旅に出たくなります。

コメントであらすじを書き込むなんて律儀(笑)
Commented by filmaniayako at 2011-04-06 10:41
どうもありがとうございます。
>国外への~
そうなのですか。
Pirosiさんには湯河原がありますものね!
(あ、ご当地グッズ集めながら海外スタバ巡りはいかが?)

あらすじ、消そうかなと思ってたとこでした。^^;
Commented by studionow at 2011-04-07 19:53
えー、びりでしたー。ねぎまさんは一番近くに住んでるから情報キャッチが早いです、あ、カップルのお二人には、お花見のときに更新を暗示したのね?アレ、Pirosiまでも....
Commented by たかぽん at 2011-04-07 23:31 x
延着しました・・・最ビリケツです! 素敵な色彩の画像です。
Commented by filmaniayako at 2011-04-11 01:14 x
>studionowさま
暗示してないです。
愛です。(既出借用)
ありがとうございます。

>たかぽんさま
延着歓迎。
どうもありがとうございます。
Commented by こべっと at 2011-05-04 23:39 x
広陵とした大地に緑の対比。行ってみたい景色だなー。
それにしてもお年寄り達の読者のためにあらすじ再登場。感謝です。(^-^)/
デナーの途中に出るソルベみたい。
Commented by filmaniayako at 2011-05-05 00:17 x
>こべっとさま
美味しそう?
(先日のマラケシュのテロがかなりショック、今は時期的に微妙になってしまったかもしれませんが)おすすめです。
言ってしまえば、もっと途中で泊まりながら進んでみたい行程でした。

もう一年経とうとしています・・・。
丁度一年前のこの瞬間はモロッコでは4日の昼間に当たり、アミンとお子たちとカサブランカのビーチに居た模様です~。

あらすじ、役に立ちましたか・・・☆
良かったです。
Commented by studionow at 2011-05-17 10:36
「もういいよー、まーだだよー」、うふふ。
Commented by filmaniayako at 2011-05-22 13:31
「もーいいーよー」 うふふ。
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